イッペン、死ンデミル?
関西地方での地獄少女の放送が、先日終了しますた。
ぶっちゃけ、映像クオリティに脚本クオリティが追いついていなくて残念ではあったものの、なにげに8話ぐらいからずーっと見てたので終わっちゃったのはちょっと寂しい。
とか思ったら、なんか第二段製作決定とか。
思ったより人気あったのか、地獄少女。やはり閻魔あいの力か。
いや、自分も閻魔あいが気に入って見てたのだけど。
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OPはこちら。

てわけで、今回は地獄少女を見終えての感想など。
ネタバレ全開になると思うので、そのつもりでプリーズ。





地獄少女の話の概要は、こうだ。


午前零時にだけアクセスできるサイトがあるという。
そこに恨みの相手の名前を書き込めば、『地獄少女』が地獄に送ってくれるというのだ。
ただの都市伝説と思われていたが、そのサイト『地獄通信』は確かに存在した。
依頼者の前に現れた地獄少女『閻魔あい』は藁人形を手渡しながら告げる。

「人を呪わば穴二つ。相手を地獄に送る代わりにあなたの魂も死後地獄に行く事になるわ。それでもいいの?」

物語は、この地獄少女に依頼した者のドラマと、『地獄少女』の噂を追うフリーの記者とその娘を主軸に、語られていく。


基本的に1話完結で、毎回『恨みを持つ者』と『恨まれている者』が出てくる。
そして、恨みを持つ者が何故恨みを持つようになったかの過程が描かれ、地獄通信にアクセス、「人を呪わば~」の話しを聞かされてしばし躊躇するものの、再びきっかけが発生して藁人形の糸を解き(これが引き金となり、地獄少女との契約が成立するという設定)、恨みの相手が地獄に送られる……という話。
和風ホラーちっくな、その実は必殺仕事人、って感じか。
事件終了後、自分も死ぬと地獄へ行くのだ、という業を背負いながら1話が終わっていく。
8話以降はこの流れに、調査して地獄少女を止めようとする記者が絡んでくるものの、話の流れは変わらない(7話までは見てないけど、そんな感じらしい)。

現代社会を舞台に、等身大の『恨み』を掘り起こしている点は、良かったと思う。
いじめやストーカー、騙され夢を壊された人、などが主題になっていたり。
絵柄は男女のどちらか片方に媚びたものでもなかったので、これも良かった。
全体を通して一貫した、しっとりと抑えた雰囲気が作品によく合っていた。

そして一番の魅力は、なんといっても『閻魔あい』というキャラクターだろう。
長い黒髪に、漆黒のセーラー服の、赤い瞳の少女。
多くは語らず、瞳に哀れみや寂しさを乗せながら、それでも容赦なく人間を地獄に送る始末人。
神秘的で、憂いも秘めたその様子が、この作品の代名詞といえるだろう。


ただ、話に関しては、設定はなかなか面白いのだけどちょっとワンパターンにすぎたかなーってのが正直な感想。
娘が閻魔あいの見たイメージを感知できるようになったことから、記者はそれを手がかりに毎度事件を追いかけるものの、『復讐』を止めることができたのは1回のみで、毎回毎回「ダメだったか……」で終わるので記者親子が話に介入する必要性があまり無かったのも難点。
さらに、この記者が地獄少女を追う理由が「復讐はいけないことなんだ。だから止めないと」というばかりで、説得力に欠けるのが一番痛い。
そりゃ娘も納得せんわ、そんな一般論だけじゃ。
一応、彼が『復讐』を嫌う理由も後半で語られたものの、イマイチ説得力が弱い上に、明かす時期としても少し遅かったように思う。

要するに、土台はけっこういいのに、生かしきれてないわけである。
勿体無い。
いっそ、記者親子はいらなかったんじゃないかな、と思うのだけど。
人物を投入して「復讐の是非」を語らせるより、ただ事件だけを見せて視聴者がどう感じるかに委ねた方が良作になった気がする。
恨まれて当然の悪人もいれば、どちらともいえない人物や、逆恨みなんかもあったのだから。
恨みの質はケースバイケース、そこに全部ひっくるめて「復讐はダメだ」と言って介入する記者は、正直ウザいだけだったと思う。話的に。

あとはやはり、『地獄少女』という素材の使い方がワンパターンだったのが一番勿体無い。
ベーシックの、「恨み発生」→「依頼」→「逡巡」→「地獄送り」の流れが多すぎた。
全26話で、大半がこの流れというのはさすがに飽きがくる。
後半はある程度省略されたりしつつも、流れは同じなので……ねぇ。
『地獄少女』というギミックを、もっといろんなベクトルで生かせば面白い話が作れそうだっただけに、ほんと勿体無い。

とまあ、不平が多いのは作品が気に入っていた裏返しなのだけども。


しかし、ワンパターンが多い中、少しベクトルを変化させた回も何話かあり、その回は抜群に面白かったと思う。
具体的には、12話と13話が個人的に良作認定したいところ。

12話は、登校拒否の女生徒の話。
担任の教師は毎日呼びに来るものの、彼女はそれを拒絶し、メール友達にだけ心を開いていた。
メールの相手も、学校で嫌なことが多いと愚痴り、彼女と痛みを共有する仲だった。
ある時、毎日来る教師が死んでしまえばいいのに、と思った彼女は地獄通信の話を聞き、アクセスする。
閻魔あいに藁人形を受けとり悩む彼女に、メール相手はやってしまえばいいんじゃないか、と促す。
決意のつかぬまま数日を過ごし、彼女は久しぶりに登校するのだが、担任に呼び出されて息苦しさにメールに逃げる。
いつものように、いつもの相手に話を聞いて貰おうと。
そのとき、担任教師の携帯電話が、メール着信に震えた。
愕然とする彼女。再度送信、結果は同じ……。
全て知っていたのかと問い詰めるが、驚愕したのは担任も同じだった。
二人は、互いに教師と教え子だと知らずに、メールでお互いの痛みを吐露しあっていたのだ。
教師として生きていく自信を失っていた担任は、彼女に地獄へ送ってくれと願う。
彼女は、苦悩しながらも、その願いに応え、藁人形の糸を引いた。
地獄への舟で目覚める教師、彼に閻魔あいは冷たく告げる。
「自分の苦しみのために、貴方は教え子を犠牲にしたのね」と。
夕暮れの中、ひとり佇む女生徒には、死後の地獄行きが定められていた。

13話は、数十年前に地獄少女と接触した老人の話。
記者が娘の見た光景から、『煉獄少女』という昔の小説を見つけることろから話は始まる。
その小説に書かれた物語はあまりに『地獄少女』の噂と似通っていた。
作者を調べるうちに見つかった「本来の挿絵」として用意された絵は閻魔あいそのものだった。
『煉獄少女』の当初の挿絵と本文は、同じ作家の手によるものだということも判明する。
住所をたどり、廃ビル同然のマンションで、記者はついに『煉獄少女』の作者を見つける。
語り始める老人。
自分が地獄少女に依頼をした頃は、新聞の投書欄での依頼だったこと。
妻を自殺に追いやった親友を地獄に送ってもらったこと。
その時の苦悩を、絵と小説にしたのだということ。
そして、自分の地獄行きが決定した上での人生は、苦悩しかなかったということ。
老人は、自分のアトリエを記者に見せる。
その部屋に並べられた全てのキャンバスには、閻魔あいの肖像が描かれていた。
夕暮れの中、キャンバスに描かれた閻魔あいの肖像が、涙を流す。
「泣いてくれるのか……」呟きながら、老人は、穏やかな顔で息を引き取った。
地獄への舟の上で、数十年ぶりに再会する老人と閻魔あい。
地獄でかつての親友に会えるだろうかと問う老人に、閻魔あいは悲しげに目を伏せながら、地獄は広いから、とだけ答えた。

この2話だけは、演出なども相まってズバ抜けて良かった。
他にも「なかなかイイ」回は幾つかあったが、この2話には遠く及ばなかった。
もし、この地獄少女が全話通してこのレベルだったなら、手放しで太鼓判が押せたろうなぁ。
ちなみに、13話は記者が記者らしく話にうまく組み込まれた回で、その辺もグッドだった。


そんな感じに、『閻魔あい』というキャラクターと、何話かあった文句無く面白かった回が、自分をこのアニメを最後まで見させたというわけでした。
毎回重い話を扱っている割に、深みのある回は少なかったのが残念で仕方が無いなぁ。
終盤も、盛り上がってるはずなのに深みが無いもんだから、なんか肩透かし。
てーか、『閻魔あい』は、ギミック的な使い方で視聴者に類推させる方が良かったと思うんだけどなぁ……終盤のアレは……うぅむ。

別に、全体を通してレベルが低いわけではないんだけどね。
並み以上のクオリティは保っていたものの、『無理に見なくてもイイ』レベルが多かったのも確か。
見て損は無いけど、見なくても損は無い、というか。
自信を持ってプッシュする回は、上記の12&13話ぐらいだったし……ね。
映像クオリティとかが良質だっただけに、脚本などにも高いレベルを求めてしまったがゆえに物足りない、そんな感じだったです。はい。

ま、その辺りが第二期でどうなるか、楽しみでもあるかな。
うん、何だかんだ言いつつ、再開されたら見てそうだし。
次回は満足させてくれるといいなぁ。


んでは、今日はこの辺で。
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by tenrensenka | 2006-04-10 22:28 | 映像。

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