ハルヒアニメはやはり異常だ。

京アニは鬼だな。

*以下、ハルヒ12話の紹介モード。ネタバレあり。
  アニメあんま見ない人には実感湧かない話になると思われ。





『涼宮ハルヒの憂鬱』は以前も取り上げたことがあるように、原作は「まあまあ」って感想だったのだけど、そのアニメ版はクオリティの高さでメチャ面白くなってます。
手がけている製作会社は『京都アニメーション』……通称「京アニ」、こやつらが鬼。

第1話はハルヒたちが作った劇中劇としての「自主制作映画」を、シロウトが作っているがゆえのヘボさ(画面に関係ない人が映ったり、光源が悪くて暗いとか、いろいろ)を妙に力を入れて再現したものを20分間流すという前例を見ないもので、そのクオリティの高さも相まって一気に話題を掻っ攫いました。
そんな京アニの手がけるアニメ版ハルヒ、先日第12話がオンエアされたのですが。

これが鬼過ぎた。

舞台はハルヒたちの通う高校の学園祭。
その体育館にて。


鬼の7分間を体感せよ。



もーね、アタマにガツーンときますたよ、これは。
アニメでライブシーンなんて、かなり鬼門だろうに。
ライブ独特の雰囲気を再現するためには、必要な描写が多すぎるわけで。
それを、超クオリティでやってしまう京アニに脱帽。
以下、驚かされた点を列挙。

・イロモノの格好で現れたハルヒ、しかし始まった演奏はロック調。
・ギター演奏の指の動きが細かすぎる。ベースとドラムの描写も細かい。
・演奏と音も一致させてある。
・キャラの口の動きが歌詞とちゃんと一致。
・次々に変わっていくカメラアングル。
・楽譜を見るように、一瞬だけ視点移動させるハルヒ。
・最初の困惑から、音に飲まれて熱狂していく観客の描写。
・演奏後半、あごをつたい落ちる汗。右頬には汗で張り付く髪。
・必死な形相で熱唱する表情のアップ。表情の動きがスゲェ。

などなど、作画の力の入れ方がもはや異常なほど。
これだけのクオリティは、劇場用アニメでしか普通お目にかかれない。
劇場用でも、かなり『見所』として配置されてようやくこのクオリティだろうに。
それを、週放送の作品でやってしまう京アニはやはり鬼だ。

アニメは絵を描かないと作れないわけで、イロイロ省略して描写することが多いわけですよ。
ライブシーンなら、観客を簡単に描くにとどめるとか、楽器演奏を誤魔化すとか。
そも、BGMとして歌を流すだけで、ボーカルが歌ってる止め絵だけで表現だとかがありがちな手段だったりで。
そこに、ああも細かな描写でライブの『場の雰囲気』を再現してしまったのは見事としか。
バンドの描写だけでなく、徐々に演奏に飲まれていく観客の描写もあるのがグッド。
あの観客の盛り上がりが丁寧に描写されてるがゆえの、場の空気でしょうね。

カメラワークもなにげにスンゴイ。
ドラムの手元に始まり、引きのショットでバンド全体を見せ、ギターの指の動き、呆気に取られる観客、そして唄い始めるハルヒへとカメラが移って行く。
映像的な『見せ方』ってもんを、よく分かってらっしゃる。
なにげに、ハルヒを手前に見せつつ、その向こうでベースの演奏と音が見事にマッチ。
飲まれていく観客を見せながら、ボーカル以外のベースやドラムの演奏もソロで見せ、ハルヒの横顔を左から映すショットでは微妙にカメラをブレさせて見せている。
中盤では観客は完全に飲まれ、歌に合わせての手拍子も音として入っている。
しっとりした音の場面では引きのショットと楽器演奏の手元を映すにとどめ、直後に来るハルヒのシャウトまでタメをつくり、ハルヒが表情を歪めてまで唄うシーンを強調。
そして、サビに入り一番盛り上がるシーンでは、バンドと観客を同時に映すショットによって『場の一体感』を出し、怒涛のパワーを感じさせる。
そしてラストは、唄い終わったハルヒが視線を走らせるとその先のギター(長門)にカメラが移り、アホなまでの指の動きを見せた後ベース・ドラムに移り、ハルヒにカメラが戻った直後引きのショットでバンド全体を見せながらシメ。


作画のレベルの高さ、場の空気の再現度、そして魅せるためのカメラワーク。
これらが見事に備わって、この鬼のようなクオリティのライブシーンは作られているのですな。
作画だけでも鬼だけど、さらにそこに映像を作るセンスが飛びぬけて高いのが京アニの強さか。
たぶん、実写でショートフィルムとかも難なく作れそうだ。おっそろしい。

演奏後のバンド紹介などもそれっぽいし、ほんと楽しいフィルムって感じ。
2曲目を楽しそうに唄うハルヒの表情もまた良し。
雨の中に響き、消えていく歌声……余韻を残しながら終わっていくのもまた、祭りっぽくてイイ。


何はともあれ、このライブシーンは2006年のアニメでも、代表的なシーンになることだろう。
こんな凄まじいシーンは、他に例を見ない。
この回の原画には、通常の2~3倍の人数の21人が当てられたらしい。
ヒィヒィいって毎週作ってる製作会社が多い中、こんな暴挙に出れる京アニにはますます脱帽だ。

ハルヒの原作は佳作くらいのポイントだったけど、それを一気に話題作に押し上げたのはやはり京アニの超クオリティだろう。
他の会社が担当していたなら、『普通の学園モノ』程度で、可もなく不可もなくぐらいのアニメになって終わっていたろうなぁ。
単にアニメ化するだけでなく、それを成功させる意気込みがあってこそビッグヒットを生み出すのだという良い前例になったのでは、と思う。
腕のある職人の愛を受けた作品は、こうまでも昇華するのですよ。
今後、京アニに匹敵するようなパワーを持った会社が増えて欲しいものですね。


……そんな、今期アニメの最高峰を眺めつつ、最後に。

最底辺を貼り付けて終わり。

うーん、とても同じ時期に放送中の作品とは思えん……w
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by tenrensenka | 2006-06-21 19:46 | 映像。

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