SIN CITY
デスノの映画版を見に行くか否か、ちょい悩み中。
ダメ評価と、なかなかって評価と、分かれてるっぽいですね。

そんな感じの、劇場公開時に見に行こうかと思いつつ、結局行かなかったシリーズ。
てわけで、『SIN CITY』を見たので今日はその感想をば。
f0103010_123428.jpg






『SIN CITY』は、同名のアメコミの映画化作品。
原作者はフランク・ミラー、アメコミ界では有名な人らしいですが自分は知りません(笑)
では、物語の概略。

欲望と暴力と犯罪が渦巻く街、ベイシン・シティ。
いつしか街は、「罪の街」……シン・シティと呼ばれていた。
街を支配する権力、横行する犯罪、警官は買収され、正義すらが屈する街。
裏切りと憎しみが支配する街で、男達は、愛した女のために命を懸ける。

物語は、シン・シティに生きる3人の男達のエピソードをオムニバス形式で語ります。
屈強な元犯罪者の男、顔を変えた死刑囚、そして退職間際の警官。
主役は3人ともオッサン、でも渋い魅力が溢れてグッド。
彼らの物語はほぼ独立しているものの、幾つかの部分で繋がる部分があり、シンシティという街をうまく描いていたと思います。
全編通してほとんどがモノクロで表現されており、女性の唇やドレスなどが時折真っ赤に描かれたりします。
この色彩も、独特の空気を作ることに一役買っていますね。


元々この映画、監督がロバート・ロドリゲスということで気になってました。
ロドリゲスといえば、例のデスペラードの監督デスヨ。
私のような頭のネジのゆるいガンアクション大好き人間は大喜びのアレです。
うん、一番大喜びなのはギターケース・ロケットランチャー。
レジェンド・オブ・メキシコはパワーダウンしてたけど……独特のアクとはっちゃけ具合が大好きな監督デス。

そんなロドリゲス。
原作の『SIN CITY』の大ファンらしく、映画化したくてたまらなかったのでしょう。
原作者のフランク・ミラーは頑固者で、今まで何度もあった映画化の話を蹴り続けてきたらしいのですが……ロドリゲスは彼を口説き落とすためにある決定をしました。
「俺とあなたと、二人で監督しよう。コマ割から何まで、原作に忠実に作りたい」
この決定に気をよくしたミラーは映画化を快諾したのですが……ココには問題がひとつ。
アメリカ監督組合での決まりに「ひとつの映画にクレジットする監督は一人に限る」というものがありました。
それでもミラーとの共同監督で『SIN CITY』を作りたかったロドリゲス、なんと組合を脱退してまで共同監督にこだわり、本作を作り上げました。


そんな経緯で製作された『SIN CITY』は、見れば「原作に忠実」の言葉に偽りナシと思えるでしょう。
いや、原作読んだこと無いけど、どのシーンもコミック的な構図で作られているのですよ。
俳優の演技にあとから背景をデジタル合成していますが、その背景もわざとコミック的なものにしています。
コミックの映画化は数あれど、ストーリーやカットは再構成するのが普通。
『SIN CITY』では、映像の元がコミックであることを主張しまくってます。

個人的にそれを強く感じたのは、序盤のワンシーン。
猟奇殺人犯に捕らえられた少女が暗い部屋に閉じ込められていて、犯人が少女の様子を見るべく扉を開けて覗き込む場面があるのですが。
この時、カメラの移動は無く、椅子に縛り付けられて泣いている少女だけが映されます。
そして真っ暗だった部屋に、開かれた扉のカタチに四角く光が入る。
その光の白い枠に、男の影を浮かび上がらせることで『男が部屋を覗き込んでいる』という場面を表現していました。
なんともコミック的な絵で、原作の1コマを映像で再現しているのだなーとよくわかりました。

そんな感じに、全編通してコミック的な絵が続く独特の映画です。
人が撃ち殺されるシーンなどがシルエットだけになったりと、なかなか面白い映像が多いです。


ストーリーそのものは、ハードボイルドタッチながら、まあ分かりやすい話かな。
一夜を共にした娼婦を殺された男の復讐物語と、昔の女が支配する区画を守るべく協力する男の物語と、8年前に助けた少女の危機に再び命を張る元警官の物語。
どれも暗く凄惨な物語で、哀愁の漂う話ですね。
自分が気に入ったのは、最後のエピソード。ブルース・ウイリスが主役。

少女ばかりを狙う猟奇殺人犯を追っていた老警官は、囚われた少女を救出し犯人を追い詰めるものの、同僚の裏切りにより逮捕を目前に取り逃がしたばかりでなく、犯人が権力者の息子であったために全ての罪を着せられてしまいます。
自分が歯向かえば、家族や助けた少女が殺されることになる。
それを悟った男は、無実の罪を背負う覚悟を決めます。
1度だけ面会に来た少女にも、もう二度と来てはダメだと念を押します。それが彼女のためだと。
少女は偽名で手紙を出すと言い残して去り、男は牢獄へ……それから8年。
少女の手紙は毎週届き、それだけが男の拠り所となっていました。
しかし、ある時、手紙は届かず血のついた封筒だけが届きます。
中に入っていたのは、細い、女の指……。
彼女の身に何があったのか、駆けつけるために男は8年の沈黙を破り、全ての罪を認めることで釈放されて彼女を探しに向かうが――。

この少女が、他の話でも少し登場していたりで、構成としても面白かったですね。
何より、8年間も一方通行の手紙で、無実の罪を背負った恩人を励まし続けるなんて泣かせるじゃないですか。
その男自身も、少女の命を救うべく権力者の罠に自らハマったわけで。
裏切りと憎しみの街にあっては、この心の交流は切なくて際立っていましたね。


あと、インパクトが強かったキャラクターとしては、イライジャ・ウッド演じるマッドな少年がステキ。
イライジャ・ウッドといえばロードオブザリングで影が薄いのか濃いのかよくわかんない主人公を演じてましたが(1部から3部まで通してフロドが大嫌いだったわし)、本作では気配すら感じさせない生粋のマッド殺人者として出てきます。
白く輝くメガネにおぼっちゃんが着てそうな服装と、大人しそうな格好。
しかし、一言も発さず、音もたてず、伸ばしたツメで相手を切り裂き殺し、その肉を食べる人肉嗜好者。
最後まで一言も喋らなかったのが、素晴らしく不気味でした。

それと、劇中ワンシーンだけ妙にコメディタッチの場面があって「ん?」と引っかかってたのですが、メイキングを見るとどうやらそこだけクエンティン・タランティーノが監督した模様。
ロドリゲスとタランティーノはメチャ仲が良いので有名(デスペラードで、タランティーノは「勘違いで殺される」なんてトホホ役を大喜びで引き受けている)で、ウワサによると1ドルでそのシーンを引き受けたとか(笑)
遊び心の効いた感じが、グッドですな。

しっかし、ロドリゲスといいタランティーノといい、首チョンパやら腕ぶった切るとか大好きだねぇ。

さて、そんな感じに長々書いてきた『SIN CITY』ですが。
オススメかというと、なかなか困るところ(笑)
個人的には楽しめましたが、一般ウケは難しいかなーと。
独特でアクが強すぎ、全編オッサンとおっかないオネーサンばっかで、コミックの再現でモノローグの語り口が多く、スプラッタ描写も(白黒でマシとはいえ)多く、イロイロとフツーのお客さん向けではないですな……w
自分も拍手喝采というわけではないですしねー。
いや、正直なところ、独特な映像感覚は面白いものの、最後のエピソードに至るまでは話があんまり面白いと感じてなかったのですよね。
それもあの手紙のくだりで陥落したわけですが(笑)



以上、『SIN CITY』でした!
そういえば、ロドリゲスが書いたっていうプレデター3脚本はもう復活しないのかのぅ。
[PR]
by tenrensenka | 2006-06-24 14:49 | 映像。

<< マジカルメイド ロベルタにゃん☆      ハルヒアニメはやはり異常だ。 >>

テンコとかうぇーいとか言われてる人です。基本的にオタ日記。ブログ内で何か問題があったら、コメントでご連絡ください、すぐ修正しますので。
by tenrensenka
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30