毎月1日は、映画が誰でも1000円Day! ってことで、2本ほど見てきました。
映画の梯子は久々だ。ちょっち疲れたけど、まあよし。
てわけで今日は、デスノート映画版と、ウルトラヴァイオレットです。
◆DEATH NOTE
今更説明の必要も無いと思うので、概要は省略。
予想通りにツッコミどころ多々ながら、思ったより
は面白かったかな?
原作のほうがはるかに面白いのは言うまでもありませんがね。
基本は原作をなぞりつつ、オリジナルの人物(ライトの恋人)を絡めながら話は進みます。
冒頭は、映画オリジナルの見せ方でデスノートによる殺人とキラの噂が一般人に浸透していく様子が描かれ、なかなか面白い導入になってました。
映画版はところどころで原作には無いシーンや改編したシーンが出てきますが、その中でも冒頭は成功してると思います。
逆に言えば、オリジナルのシーンの多くは
失敗してるわけですが。
話自体は前編ということで、原作の1~2巻と3巻の一部までを描き、終盤はオリジナルの展開で後編に続くようになってます。
元が密度の濃い話ということもあり、無理に2時間に詰め込もうとしなかったのは好感が持てますね。
2回に分けたことで、妙に急ぎすぎた印象も無く、普通に見れました。
邦画としてはまあまあ面白かったと思います。
ただ、登場人物は、原作のキャラを再現しようとはほとんどしていません。
藤原竜也の演じるライトはあまりにも藤原竜也でしかなくて、ライトと呼ぶには抵抗が強い。
夜神パパもキャラ違うし、捜査本部のメンツはどれが誰だかわかんないし、レイもナオミも誰だオマエは状態。
映画版ってことで、「別物だ」と割り切って見ないとつらいですね。
Lは再現しようという努力は見られたので、まだマシかな。
基本的にどの役も、「役割としての原作キャラ」よりも「役者のイメージ」を優先した感じで、役を作ってるというより役者が一番得意な(普段の)演じ方をしてる印象でした。
それにしても、藤原竜也はいつ見ても同じ演技ですな。
彼が出てる映画やドラマは幾つか見てきましたが、どの役も設定が違うだけで全部同じキャラにしか見えません。
あの型しかできないのかな、彼は。ヘタクソな演技よりはいいけど、なんだかなぁ。
おかげで、映画を見ていても「彼=ライト」の図式は最後まで頭に馴染みませんでした。
てーか、あれは映画版キラであって、『夜神月』じゃねぇ。性格が違いすぎる。
ああ、自分の中では『夜神竜也』と呼ぶことにしようそうしよう。
原作ファンとして一番違和感が強い存在は、やはりオリジナルキャラの、秋野詩織。
ライトの恋人ってのがまず受け入れがたい。
主要キャラゆえに出番も多く、にんともかんとも。
そんな感じなので、原作ファンは映画版は別物だと割り切っておくべし。
でないと
イロイロつらいよ?
特につらかったポイントは、
・南空ナオミがただのアホになってる。
・ミサは役者の滑舌の悪さもあって壊滅的。
の2点かな……。
あと、レイ=ペンバーは細川茂樹が演じるということで、さすがに外人設定は無理だったのだろう、「レイ・イワマツ」って名前になってました。
まああの顔でレイ=ペンバーは無いわな……w
その他、人物だけでなく、ツッコミどころは多々ある。
冒頭では、繁華街にあるでっかい街頭テレビを見ながら、おもむろにノートを取り出して名前を書くなんてシーンもある。
相手に尻尾をつかませないことが重要になる話で、あのずさんさはどうかと。
原作のLと映画のライトが対決したら、1ヶ月もあれば捕まえそうだ。
序盤にライトが超人的な頭脳の持ち主であることの描写も無いもんで、ノートの使い方や裏をかく場面やらが、説得力ナシなのもつらい。
その他、ツッコミ入れてると際限なく長くなりそうだけど、中でも一番改悪されていたのは、やはり南空ナオミ。
原作では知的で悲劇的なキャラとして魅力が溢れていたが、映画版では見る影も無い。
どのキャラも大なり小なり原作と違うキャラになってしまってはいるが、ナオミに関しては
無惨としか言いようが無い。
キャラづけやその行動・言動は原作から大きく変更されているのだけど……知的さは損なわれ、行動にも矛盾だらけで、ただのアホに成り下がっている。
そのアホさゆえに、悲劇性のあるキャラのはずがもう台無し。
原作ではライトとナオミのやりとりは、「初めてライトがきわどいところまで追い詰められる」というシーンでもあってとてもスリリングだったのに……あーあ。
そしてナオミのエピソードは、前編のラストへと繋がっていく。
この映画版オリジナルのナオミの使い方が、前編のクライマックスでもある。
このラストは、その多くがダメ要素になってしまったオリジナル描写の中では、冒頭と共に「おっ」と思わせる光るものがあった。
なるほど、と思わされたし面白いシーンだったと思う。
ただ、原作のナオミがけっこう気に入ってた身としては、ああも無惨なアホキャラになってしまったナオミは見るに忍びなかったが。
なんか、書いてるとどーもダメな部分ばかり思い出されて、良かった部分をもっと挙げようと思ったのだけど……なんか取り立てるほどあったのか疑問になってきてしまった。
冒頭とラスト以外は、なんか終始ビミョーな空気が多かったような気がする。
というのも、キャラづけが原作と大きくかけ離れているし、キャラの心情描写も不足しているので行動に説得力を持たせられていないのだ。
「相手の裏をかき、さらに裏を読んでその先を想定する」っていう知的な駆け引きが、表現できていない。
これでは、原作の魅力をあまり出せていないのだ。
監督は金子修介、密かに
あずみ2の監督でもある。なんか納得。
ガメラ3部作の時は良かったのになぁ、金子監督。
とまぁ、映画は映画と割り切って見るなら、まあまあには楽しめるかなと思う。
ツッコミどころに怒らずいれるなら、冒頭とラストはなかなか面白いので。
あ、ラストのLの登場の仕方も良かったデス。
言外にライトへの宣戦布告をこめているような描写でグッド。
ああいうカットがもっと多ければねぇ……。
◆ウルトラ・ヴァイオレット
「諸君らの愛してくれたガン=カタは死んだ。何故だ!?」
「予算が足りなかったのさ」
はい、なんかそんな感じの結果でした。
ガン=カタってのは、ウルトラ・ヴァイオレットと同じ監督が作った『リベリオン』って映画で使われた「銃と拳法の動きを組み合わせた拳銃術」とでもいうもので、私のようなハッタリの効いたガンアクションが大好きな人間が狂喜乱舞して
マネして遊びたくなったシロモノでした。
その監督が手がける新作ということでウルトラ・ヴァイオレットにも期待してたのですが……中盤辺りから
「ああ、予算が尽きたのか」と思わざるを得ない劣化振りを見せてくれてトホホでした。
冒頭とかバイクチェイスとかは
脳汁出まくりだったんだけどなぁ……。
加えていろいろ説明不足で、元々話自体は大したことも無い上に説明や描写が不足してて、ダメっぷりが加速。
ぶっちゃけストーリーは
崩壊してました。
予算をふんだんに使ったのであろう冒頭とバイクチェイス(追っかけてくるのはヘリだけど)のシーンの出来は、小躍りしたくなるぐらいに素晴らしかったので余計に残念。
5人順番にシャキンシャキンシャキンと納刀していくシーンなんか爆笑しそうなぐらい大喜びだったのに……w
バイクチェイスも、なんか重力制御機構を使って
ビルの壁面を縦横無尽に走るなんてステキなことをやらかしてくれてて「よくやった! うちに来て妹とファックしていいぞ!」なんて気分。妹いないけど。
前半だけなら拍手喝采レベルだった……後半は……予算の尽き具合に泣こう_| ̄|○
誰か、監督のカート・ウィマーにやりたい放題させるだけの予算を用意してあげてください。
あと、ちゃんとした脚本にするための脚本補佐も。
ビミョーなドラマになるぐらいなら、もういっそ『トム・ヤム・クン!』のように
「像はどこだ!」って言ってるだけでも話にはなるんだから(笑)
リベリオンの時もそうだったけど、カリスマのあるライバルも欲しかったなぁ。
主人公が無敵モードすぎて、対決の面白みが薄い。
ガン=カタの復活はあるのだろうか……。
いっそ、何かのアクション大作でガンアクションだけカート・ウィマーにやらせるとかでもいいから、あの爽快感をもっと味わいたいのだけどなぁ……。
ああ、ちなみにリベリオンについては、
7月13日の木曜洋画劇場で地上波初登場で放送します。
アクション好きなら見るべし見るべし。
そして一緒にガン=カタごっこしよう(ぁ